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認知症の種類
認知症にはその原因などにより、いくつか種類があります。
参考資料:厚生労働省『認知症の基礎~正しい理解のために~』
【アルツハイマー型】
脳内にたまった異常なたんぱく質により神経細胞が破壊され、脳に萎縮がおこります。
【症状】
昔のことはよく覚えていますが、最近のことは忘れてしまいます。軽度の物忘れから徐々に進行し、やがて時間や場所の感覚がなくなっていきます。
【脳血管性認知症】
脳梗塞や脳出血によって脳細胞に十分な血液が送られずに、脳細胞が死んでしまう病気です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な原因です。
【症状】
脳血管障害が起こるたびに段階的に進行します。また障害を受けた部位によって症状が異なります。
【レビ-小体型認知症】
脳内にたまったレビ-小体という特殊なたんぱく質により脳の神経細胞が破壊されおこる病気です。
【症状】
現実にはないものが見える幻視や、手足が震えたり筋肉が固くなるといった症状が現れます。歩幅が小刻みになり、転びやすくなります。
【前頭側頭葉型認知症】
脳の前頭葉や側頭葉で、神経細胞が減少して脳が萎縮する病気です。
【症状】
感情の抑制がきかなくなったり、社会のルールを守れなくなるといったことが起こります。
軽度認知障害(MCI)をご存知ですか?
アルツハイマー型認知症は発症した場合には、根治治療は不可能ですが、このアルツハイマー型認知症にも軽度認知障害(MCI)と言われる段階があります。
軽度認知障害(MCI)は認知症とは違います
軽度認知障害(MCI)とは、正常に日常生活を送ることができる方と、認知症の方との間の状態です。
認知症は、一般的には物忘れから始まり、記憶や判断能力などの認知機能が低下し日常生活に支障をきたす状態です。
一方、軽度認知障害(MCI)と は、記憶力が低下しても、日常生活にはほとんど支障をきたさない程度の段階で、自立して生活ができる状態です。
改善することもあれば、進行することもあります
軽度認知障害(MCI)の原因は様々ですが、アルツハイマーが始まっている初期の場合から、脳にはあまり障害が見られない場合などもあります。
しかし、軽度認知障害(MCI)が認知症に近い段階の進行状態であれば、数年のうちに認知症を発症しますが、正常に近い段階であれば正常に戻る場合があります。
認知症は、発症すると改善することはありません。ここが軽度認知障害(MCI)と認知症の大きな違いです。
厚生労働省の資料によると、平成24年には認知症高齢者数は、約462万人、軽度認知障害(MCI)の高齢者は約400万人と推計されています。軽度認知障害は認知症の一歩手前の状態で、物忘れなどが出るものの症状はまだ軽く、病気ではありません。「忘れっぽいけれど、 日常生活での判断は比較的しっかりしている状態」といえます。さらに注目すべきポイントは、適切な対応で回復したり、発症を遅らすことができるという点です。運動や食事、脳トレーニング、薬物療法など、さまざまな研究がなされており、一部の研究では、MCIと診断された後、26%が県評者へ回復したとの報告もあります。大切なのは 早めにMCIに気づき対策を行って、認知症への移行を防ぐことです。そのためにも家族や周りの人が、できるだけ早く異変に気付くことが大切です。
外出時の洋服などの格好に気を使わなくなったり、「いつ」「どこで」「誰と」などを正確に思え出すことができなかったり、水道の出しっ放しや同じ質問を何度も繰り返すなど、その予兆をも逃さないようにしなければなりません。
軽度認知障害(けいどにんちしょうがい)※厚生労働省 e-ヘルスネット
物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。
軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態です。その定義は、下記の通りです。
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年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
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本人または家族による物忘れの訴えがある。
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全般的な認知機能は正常範囲である。
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日常生活動作は自立している。
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認知症ではない。
すなわち、記憶力に障害があって物忘れの自覚があるが、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度のものである場合です。しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられています。